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ミンコフスキーのハイドンつづき [音楽]

もすこし、ミンコフスキーのハイドンについて続けようと思う。
快速な楽章はよどむところなく流れ、緩徐楽章はよく歌う。まだ全部を聴いてはいないが、ライナーノートにあるようにどの曲を聴いても、冗長さや退屈さを感じない。吃驚と太鼓連打の趣向だけでなく、各曲で思わぬところでヴァイオリンがソロになったり、(トリオを弦楽四重奏でやるのは時々聴くが、奇跡の第二楽章では随所でヴァイオリンのソロが聞こえる)チェロのソロがでたりする。ライブ録音はどのようば演奏会だったのかわからないが(もしかして12曲を2晩か3晩連続?)、ややもすると金太郎飴な12曲をさまざまな工夫と趣向で飽きさせずに聴かせる工夫がある。
オーケストラのうまさも特筆もの、全体としては流れを重視した演奏だが、ロンドンのトゥッティーでは重厚さも感じられる。ソロではヴァイオリン、チェロがすごい。(が奇跡のオーボエはちょっとやりすぎ。)どうしても乾いた音になりがちのピリオド楽器でここまで歌っているのはすばらしい。
全体として芸術的感動というよりも、もともとハイドンの音楽にある愉悦を、さまざまな工夫を凝らして引き出した演奏が、この上も無く楽しく、美しい。音楽を聴く楽しみを味わえる。たとえていうなら、塩味、砂糖や油はおさえ、素材のよさを生かし、随所に彩りをそえ、薬味を効かせた、目と鼻と舌で楽しめる極上の懐石料理だ。
私はもともとハイドンが一番ではないが、好きで良く聴く。モーツアルトほどの華やかさや悲しさはなく、ベートーヴェンの偉大さもない。チャイコフスキーやドボルザークの哀愁もない。後期ロマン派の音楽で聞くオーケストラの醍醐味もない。けれどもハイドンの音楽には純粋に音楽を聴く楽しみがある。今までハイドンをあまり聞いていない人に是非聞いてほしい。


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ミンコフスキーのハイドン [音楽]

 シンフォニーが無性に聴きたくなり、みなと図書館からミンコススキーのハイドンセットとズイトナーのベートーベンを借りてきた。ズイトナーは1番を聴いてみた。ベートーベンの古典的シンフォニーを古典的オーケストラ(シュターツカペレベリリン)が古典的に演奏。3番以降はどうなるのか。
 ハイドンはこれまでワルター、クレンペラー、バーンスタイン、セル、ベームの演奏が、それぞれ個性があって好きだ。(カラヤンのハイドンはちょっとどうも)新しいところではラトルのパリ交響曲もよかった。ワルターは温かみと音楽への愛情を感じる演奏、クレンペラーはどこまでも厳しく峻烈な演奏ながらヒューマンなところも感じさせる。バーンスタインはまず自分が楽しみ、それが聞き手に伝わる。セルはとにかく細かいところまで血が通った緻密な音楽、ベームはちょっと無骨で古典的な見本の演奏だが、かみしめると味わいがある。ラトルは・・・。
 ミンコフスキーは発売当時評判になったCDらしいが、とても面白い。ヴィブラートのない、次から次へと流れる音楽だが冷たさは感じない。独善的でなくオーケストラとともに音楽を作りながら、自分の音楽もきちんと表現している。
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